【動悸と喉のつかえの症例】

*患者データ*

【来院者】30代 女性

【期間】2023年4月~7月

【頻度】2回目までは1週間、その後は3週間に1回

【通院回数】5回

【症状】

1年前から自律神経の乱れを感じるようになり、倦怠感や上半身の強いコリ、動悸や喉のつかえを感じていた。漢方の苓桂朮甘湯を半年前から服用し始め喉のつかえは軽減してきたが、動悸が改善しない。

精神安定剤を1ヶ月前から服用しているが、症状が中々改善されない為、来院された。

【施術と経過】

体を詳しくみていくと、脊柱の側弯があり、肋骨も歪んでいる。また、胸郭がかなりかたくなっており、呼吸が浅くなっている所見がみられた。呼吸を補助する前頚部、前胸部の筋肉の緊張も強く、頚部の交感神経や内臓の働きをコントロールする迷走神経にストレスがかかり、自律神経のバランスが乱れ、症状を引き起こしているのだと考えられる。

(初回)骨盤と脊柱への施術と、胸郭・横隔膜へアプローチを行い呼吸が正常になるよう施術。頚椎を整え、前頚部の筋肉をリリースすることで交感神経や迷走神経へかかるストレスを緩和した。初回の施術後、胸郭の可動性の向上・呼吸が深く吸えるようになった。

(2回目)前回の施術後2~3日は好転反応があったが、それがひいてからは上半身のコリ感が軽減した。前回の施術に加え、腹部の調整を行い、内臓の血流循環の改善をはかる。

(3回目)前回の施術後、動悸や息苦しさがかなり軽減した。肩こり感はあるものの、呼吸が変化してきて前頚部や前胸部の筋緊張が改善している。

(4回目)以前は不安だった車の運転もできるようになってきて、日常生活を送ることに少しずつ自信が持てるようになった。

(5回目)息苦しさや動悸が完全に感じなくなった。肩こり感は少しあるが、以前の異常なコリは感じない。やや胸郭のかたさはあるものの、体の歪みも安定してきているので、今回で集中的な通院は終了。

【まとめ】

脊柱の側弯や、呼吸の浅さにより頚部の筋緊張を引き起こし、交感神経・迷走神経にストレスをかけ、自律神経の乱れを引き起こしているケースだった。お子さんが小さい為、睡眠も不規則になりさらに自律神経のバランスに影響を与えていると考えられる。

呼吸を改善して自律神経を整え、症状が改善された代表的な症例だった。

【このページの著者】

著者:岡田 郁(おかだ いく)

鍼灸師・あんまマッサージ指圧師(国家資格)、BRM療法士、側弯トレーナー

大阪市都島区 鍼灸整体サロンよつば 院長

「自律神経を整えて女性のからだを改善するスペシャリスト」

臨床経験15年の経験を活かし、年齢によって変化する女性のからだをサポートする。

肩こり腰痛などの慢性症状から自律神経の悩みまで改善する無痛整体を行う治療家。