【右肩に重い痛みがあり、動かせなくなった症例】

*患者データ*

【来院者】60代 女性

【期間】2023年3月~4月

【頻度】1週間に1回

【通院回数】4回

【症状】

2~3ヶ月前から右肩に重たい痛みが起こり、当初は放っておけば治ると思い気にしていなかったが、痛みが徐々に強くなり吐き気を感じたり、日常生活を送るのも辛くなってきた。重たい痛みに加え、動きも固まってきて肩を挙げることができなくなった。

日常のストレスも強く、息苦しさを感じる為、2年前から漢方薬を処方されて服用しているが中々改善されない。

【施術と経過】

体を詳しくみていくと、肩関節の拘縮はみられない為、五十肩ではなかった胸椎上部の側弯が強く、右肩の内旋、肋骨の歪みもかなり強く起こっていた。その歪みにより頚神経にストレスがかかり、さらに肩のアライメント不良により症状が起きていると考えられる。

(初回)脊柱の側弯部、肋骨の歪みの施術を行い、胸郭・肩関節を正常な位置に戻すように調整。右上肢の末梢神経へのアプローチ、頚椎の施術を行い、頚神経にかかったストレスを緩和する。施術後、右肩の可動域が改善される。

(2回目)初回の施術後、徐々に右肩の痛みが軽減。重たいだるさは感じるものの、痛みは感じなくなった。施術は前回と同様に行う。

(3回目)右肩の痛みは完全になくなり、肩も正常に動かせるようになった。腰痛を少し感じる。前回の施術に加え、骨盤と腰椎の調整も行う。

(4回目)右肩は問題なくなった。2日前に腰に軽い痛みを感じた。右足の浮き趾を感じており、足関節のバランスが悪い為に腰部が不安定になっている。前回の施術に加え、股関節・膝・足関節を整えて下肢のバランスの安定性を高める。肩の痛みは完全に感じなくなり、可動域も正常に戻ったので、集中的な通院は今回で終了。今後はメンテナンスでの通院を勧める。

(現在)しばらく腰部の痛みを感じることがあったが、現在は特に痛みや不調を感じることなく生活できている。ストレスにより自律神経の乱れが起きやすい為、現在は月に1度のメンテナンスで来院をされている。

【まとめ】

肩の痛みと可動域制限というと五十肩であるケースが多いが、今回は検査をして関節拘縮がみられなかった為、五十肩には当てはまらなかった。首から肩にかけての神経や関節のアライメントを整える施術を中心に行った。

特に頚椎ー胸椎移行部の歪みが強く、頚神経へのストレスが強くかかっていた。胸椎上部の側弯は、長年仕事でCADを使っていた特異な姿勢が関与しているのだと考えられる。

肩の痛みや可動域制限はあるが、関節拘縮が起きてなかった為、比較的早期に症状が改善したケースだった。

【このページの著者】

著者:岡田 郁(おかだ いく)

鍼灸師・あんまマッサージ指圧師(国家資格)、BRM療法士、側弯トレーナー

大阪市都島区 鍼灸整体サロンよつば 院長

「自律神経を整えて女性のからだを改善するスペシャリスト」

臨床経験15年の経験を活かし、年齢によって変化する女性のからだをサポートする。

肩こり腰痛などの慢性症状から自律神経の悩みまで改善する無痛整体を行う治療家。