【呼吸のしにくさと左半身の痛みがある症例】

*患者データ*

【来院者】30代 女性

【期間】2023年7月~9月

【頻度】2回目までは1週間、その後は2週間に1回

【通院回数】6回

【症状】

10ヶ月程前から日常生活が困難な程の痛みを左半身に感じるようになり、仕事を休職。色々な整体院や鍼灸院に通い始めた。

当初の痛みはだいぶ改善されたが、左半身のしんどさや左首の痛み、左胸のつまり、呼吸がしにくいなどの症状が治りきらず、仕事復帰するのに不安を感じて、来院された。

その他に、体の歪み(反り腰)や顔に汗をかきやすい、生理のリズムが不規則などの症状がある。

【施術と経過】

体を詳しくみていくと、脊柱の側弯があり、左肋骨が右に回旋している。その影響で左肩の内旋も起こり、頚椎ー胸椎の移行部が左に歪み、左首や肩の筋緊張を引き起こしている。

また、左の肋骨の下部がかなりかたくなっており、呼吸時に左の肋骨に正常な動きがみられず、呼吸補助筋である左前頚部や前胸部の筋に負担をかけていると考えられる。

(初回)骨盤と脊柱への施術と、左の肋骨の歪みの矯正・横隔膜へアプローチを行い呼吸が正常になるよう施術。胸腰椎移行部への施術を行い、肋骨下部の可動性を改善。頚椎を整え、前頚部の筋肉をリリースすることで交感神経や迷走神経へかかるストレスを緩和した。

(2回目)前回の施術後、左半身のしんどさがかなり楽になった。左首の痛みも消失。肋骨周囲のかたさはまだ残存しているので、前回と同様に施術を行う。

(3回目)前回施術後から楽な状態が続いていたが、5日くらい前から左肋骨から左上半身のしんどさを感じる。胃の調整を行う。

(4回目)左半身のしんどさはないが、左半身だけ呼吸が繋がらないような感じがする。5~6年前に慢性胃炎だった。胃の調整を続けて行う。

(5回目)呼吸がスムーズにできるようになってきた。左首~肩の張りを感じる。重心が左に偏ってしまうため、左足関節の調整を行う。

(6回目)左の足首が安定したように感じる。首や肩の張りも軽減。以前のような左半身のしんどさはなく、呼吸のしにくさも感じなくなった。体の状態が安定してきたので、集中的に通院してもらうのは今回で終了。

【まとめ】

左の肋骨下部と胸腰椎移行部のかたさが、元は5~6年前の慢性胃炎に由来していると考えられる。(慢性的な炎症による癒着)

頚椎4番から起こる横隔神経が胃にもいくので、胃の状態は左肩や首に表れやすくなっている。

今回は骨格の歪みや呼吸改善の施術に加え、胃の調整を行うことで症状が改善した症例だった。

【このページの著者】

著者:岡田 郁(おかだ いく)

鍼灸師・あんまマッサージ指圧師(国家資格)、BRM療法士、側弯トレーナー

大阪市都島区 鍼灸整体サロンよつば 院長

「自律神経を整えて女性のからだを改善するスペシャリスト」

臨床経験15年の経験を活かし、年齢によって変化する女性のからだをサポートする。

肩こり腰痛などの慢性症状から自律神経の悩みまで改善する無痛整体を行う治療家。