【両手のしびれの症例】

*患者データ*

【来院者】50代 女性

【期間】2023年5月~7月

【頻度】1週間に1回~2週間に1回

【通院回数】6回

【症状】

1ヶ月程前から両手にしびれを感じるようになった。しびれが徐々に強くなり、仕事に支障が出てきたので来院。

仕事中は手のしびれと痛み、指に力がはいりにくい、指が動かしにくいなどの症状がある。また、右腕に腱鞘炎のような痛みや腕のだるさも感じている。何年も前から、寝ている時に手のしびれがある。

その他に、左の坐骨神経痛の症状もある。

【施術と経過】

体を詳しくみていくと、猫背・反り腰の姿勢不良に加え、両肩の内旋がかなり強くなっている。徒手検査を行い、小胸筋症候群(胸郭出口症候群)と判断。

仕事の力作業による腕や胸の筋肉への過負荷も一因して、腕神経叢にストレスがかかり手のしびれや痛みが起きていると考えられる。

(初回)姿勢を改善して、肩や鎖骨、首の位置が正しくなるように施術を行い、神経にかかるストレスを緩和する。

また、上肢の末梢神経への調整、前頚部の筋のリリース、鎖骨周囲の筋緊張も改善するように施術を行う。

(2回目)初回の施術後、右手の痺れは軽減。左手のしびれはまだ残る。右腕の腱鞘炎の痛みが強い。前回同様に施術を行う。

(3回目)両手ともに痺れの強さは軽減。左手の方がしびれは強い。手関節の調整を行う。

(4回目)右手のしびれはかなりマシに、左手は人差し指と中指のしびれが残る。前回同様手関節の調整も行う。

(5回目)両手ともにしびれがマシになっている。左手の人差し指と中指のしびれをやや感じるが、最初の1~2割程度くらい。

(6回目)手のしびれは気にならなくなった。仕事が忙しく、右腕の腱鞘炎のだるさを感じる。

手のしびれが改善したので詰めて来院してもらうのは今回で終了。仕事の負担が大きい為、メンテナンスでの通院を推奨。

【まとめ】

手のしびれの原因は頚椎や胸郭出口、肘、手首など様々で、検査により原因を突き止めることが重要である。

今回は胸郭出口が原因になっていたが、局所だけでなく姿勢や肩の位置を改善して神経の絞扼を緩和することが大切。

仕事の姿勢により再発の恐れもあるので、姿勢の指導もあわせて行った。

【このページの著者】

著者:岡田 郁(おかだ いく)

鍼灸師・あんまマッサージ指圧師(国家資格)、BRM療法士、側弯トレーナー

大阪市都島区 鍼灸整体サロンよつば 院長

「自律神経を整えて女性のからだを改善するスペシャリスト」

臨床経験15年の経験を活かし、年齢によって変化する女性のからだをサポートする。

肩こり腰痛などの慢性症状から自律神経の悩みまで改善する無痛整体を行う治療家。