【立ち上がる時に感じる腰痛の症例】

*患者データ*

【来院者】50代 女性

【期間】2023年3月~5月

【頻度】1週間に1回~2週間に1回

【通院回数】6回

【症状】

元々慢性的に腰痛はあったが、二週間前に体を冷やした後から腰痛を強く感じるようになった。

マッサージや他の整体に行ってみたが中々改善せず来院。

日常生活では立ち上がる時に特に痛みを感じており、趣味のテニスをした後も痛みが強くなる。

右腰に全体的な痛みがあり、右のお尻の外側にも痛みを感じることがある。

【施術と経過】

体を詳しくみていくと、右側の骨盤が捻じれて左回旋している。骨盤の捻じれに伴い下部腰椎が右に側弯しており、右側の筋緊張が強くなっている。骨盤の歪みにより右股関節の歪みも生じており、右殿部の筋にストレスがかかり、痛みを引き起こしている。

また、胸郭の可動性が低下しており、テニスなどの体を捻る動きの際に胸椎が動かず腰椎に過度の負荷がかかり、テニス後の痛みの原因となっている。

(初回)骨盤と腰椎の側弯部の調整を行い、腰部にかかるストレスを緩和する。右股関節から足関節までアライメントを整える施術を行い、足部の安定性を高める。胸郭の柔軟性を高める施術を行い、捻る動作の可動域を改善する。施術後、前屈時と体を捻る動作での痛みが軽減される。

(2回目)初回の施術後、3日間は腰痛なく過ごせたが、少しずつ痛みが戻ってきた。腰を捻る動作で特に痛みを感じる。施術は前回に加え、卵巣と子宮の調整を行う。

(3回目)痛みの強さが変わってきて、腰に違和感を感じる程度になった。骨盤、腰椎の状態は安定してきたので、胸郭の可動域をさらに改善していく為、横隔膜の調整も行う。

(4回目)10日間程は痛みなく過ごせたが、来院当日の夕方くらいから痛みを感じる。腎臓の調整を行う。

(5回目)日常生活では痛みを感じなくなったが、テニスをするとまだ痛みが起きる。テニスは辞めた方がいいのか悩まれていたが、胸郭の動きを改善する施術に加え、可動性を高めるセルフケアを指導。なるべくテニスを続けてもらえるように施術をしていく。

(6回目)テニスをしても痛みは起こらなかった。胸郭の調整。骨盤と脊柱の状態は安定しているので、集中的な施術は今回で終了。

テニスを続けていく為、定期的なメンテナンスを推奨。

【まとめ】

腰痛は腰だけが悪い場合がむしろ少なく、股関節や足関節、頚椎や内臓など様々な要因が絡んで痛みが引き起こされる。

今回は立ち上がり時の痛みで来院されたが、その痛みは骨盤の捻じれと下部腰椎の歪みが原因となっていた。

下部腰椎(L5)が歪むと、腰が抜けそうな不安定さや立ち上がり時の痛みを訴えられるケースが多い。

テニス後の痛みはまた原因箇所が異なるので、原因箇所をそれぞれ整えていくことで、異なる痛みも改善していった症例だった。

【このページの著者】

著者:岡田 郁(おかだ いく)

鍼灸師・あんまマッサージ指圧師(国家資格)、BRM療法士、側弯トレーナー

大阪市都島区 鍼灸整体サロンよつば 院長

「自律神経を整えて女性のからだを改善するスペシャリスト」

臨床経験15年の経験を活かし、年齢によって変化する女性のからだをサポートする。

肩こり腰痛などの慢性症状から自律神経の悩みまで改善する無痛整体を行う治療家。