【朝起きるときに感じる腰痛の症例】

*患者データ*

【来院者】20代 女性

【期間】2023年5月~7月

【頻度】1週間に1回

【通院回数】6回

【症状】

2ヶ月前から起床時に腰痛を感じ始め整形外科を受診。その後一時的に痛みは緩和するが、1ヶ月前の起床時にかなり強い腰痛が起きる。

湿布やコルセットを使ってなんとか仕事は行けているが、立ち仕事や重い物を持つので、仕事中にまたギックリ腰になりそうな痛みと不安がある。

立位姿勢が続くと腰痛が強くなり、前に屈む動作もできない。

【施術と経過】

体を詳しくみていくと、右側の骨盤が捻じれて左回旋している。骨盤の歪みに伴い下部腰椎も捻じれているが、胸腰椎移行部は左に側弯している。また反り腰がかなり強く、腰椎の過前弯だけでなく仙骨の前傾角度もおかしくなっており、椎間関節に過度のストレスがかかり痛みを引き起こしている。

また、胸郭の可動性が低下しており胸椎が動かず腰椎に過度の負荷がかかり、より反り腰を助長してしまっている。

(初回)骨盤の捻じれと腰椎の側弯部の調整を行い、腰部にかかるストレスを緩和する。仙骨角度と腰椎の過前弯の調整、胸郭の柔軟性を高める施術を行い、反り腰を改善する。施術後、腰の前屈・後屈動作での痛みが軽減される。

(2回目)初回の施術後、起床時の腰痛はあるが、立ったまま靴下を履けるようになった。仕事中にギックリ腰になりそうな痛みは改善された。骨盤の捻じれが特に強い。施術は前回同様に行う。

(3回目)数日痛みの程度がマシな状態が続いていたが、痛みがジワジワ出てきた。股関節の可動域を改善する施術を行う。

(4回目)痛みの強さが変わってきて、日常生活動作での不安もかなり減ってきた。骨盤の捻じれは改善されてきたが、まだ腰椎の前弯は強い。仙骨、腰椎の調整を中心に行い、さらに腰部を安定させていく。

(5回目)前に屈む動作が不安だったが、かなり深く体を曲げられるようになった。骨盤の捻じれや腰椎の側弯は改善。

(6回目)痛みはほぼ感じなくなった。仕事中もコルセットを外しているが、不安なく動けている。歪みの状態も安定してきたので詰めて来院してもらうのは今回で終了。

【まとめ】

起床時の腰痛を訴えられる場合、腰椎の前弯角度や仙骨の歪みが関係している場合が多い。

今回も反り腰がかなり強く、寝ている時に体圧が分散されず、椎間関節にストレスがかかり痛みの原因になっていた。

患者は20代前半だが、近頃若年層でも反り腰から腰痛を訴えるケースが増えている。

骨盤や腰椎の問題だけでなく、反り腰になった原因(胸郭や股関節のかたさ)を施術し、痛みが改善された症例だった。

【このページの著者】

著者:岡田 郁(おかだ いく)

鍼灸師・あんまマッサージ指圧師(国家資格)、BRM療法士、側弯トレーナー

大阪市都島区 鍼灸整体サロンよつば 院長

「自律神経を整えて女性のからだを改善するスペシャリスト」

臨床経験15年の経験を活かし、年齢によって変化する女性のからだをサポートする。

肩こり腰痛などの慢性症状から自律神経の悩みまで改善する無痛整体を行う治療家。