【過度な倦怠感が2年以上つづく症例】

*患者データ*

【来院者】30代 女性

【期間】2023年6月~7月

【頻度】1週間に1回

【通院回数】5回

【症状】

二人目を出産した二年半前から、倦怠感を強く感じるようになった。

すぐに疲れを感じるようになり、朝起きられない、不眠などの症状に加え、夕方になると倦怠感がより強くなり動けなくなるといった症状がある。

肩甲骨周囲のじわじわとした痛みがあり、特に左側に強く感じている。

【施術と経過】

体を詳しくみていくと、脊柱の側弯があり、胸郭の柔軟性が低下している。特に左側の肋骨が、吸気の際に自然な肋骨の動きが起こらなくなっている。呼吸を補助する前頚部、前胸部の筋肉の緊張も強く、頚部の交感神経や内臓の働きをコントロールする迷走神経にストレスがかかり、自律神経に影響を及ぼしている。骨盤の捻じれにより内臓の血流循環も滞りがみられる。

自律神経への影響は①骨格の歪み ②呼吸 ③内臓の血液循環不良 により起こっていると考えられる。

(初回)脊柱の側弯部、肋骨の歪みの施術を行い、呼吸が正常に行えるよう調整。頚椎の調整と、前頚部の筋肉のリリースにより迷走神経にかかったストレスを軽減する。腹部への施術を行い呼吸に関わる横隔膜をゆるめ、さらに腹部の緊張を緩和し、内臓の血液の滞りを改善する。

(2回目)初回の施術後、体がポカポカして倦怠感がマシだった。数日経つと、また徐々に倦怠感が現れる。施術は前回と同様に行う。

(3回目)起床時に感じていたしんどさが、ここ数日マシになってきた。呼吸のセルフケアを指導。左肩の不快感を改善するため、胃の施術も加えて行う。

(4回目)体が徐々に良くなってきているのを感じる。呼吸時に肋骨が正常に動くようになってきた。左肩の不快感も改善される。

(5回目)倦怠感をだいぶ感じなくなった。脊柱や肋骨の状態も良くなっているので、詰めて来院してもらうのは今回で終了。

子育て中で生活が不規則な為、自律神経が乱れやすいので、メンテナンスでの来院を推奨。

【まとめ】

自律神経失調症では色々な症状がみられるが、今回は倦怠感が強く表れていた。

左肩甲骨の痛みが強かったのは、胃の内臓疲労によるもので、胃の調整を行うと改善された。

自律神経のバランスが乱れる原因はひとつではなく、骨格(背骨、頚椎、頭蓋骨)の歪みや呼吸、内臓疲労、生活習慣やストレスなど

様々なものが影響することが改めて感じさせられる症例だった。

【このページの著者】

著者:岡田 郁(おかだ いく)

鍼灸師・あんまマッサージ指圧師(国家資格)、BRM療法士、側弯トレーナー

大阪市都島区 鍼灸整体サロンよつば 院長

「自律神経を整えて女性のからだを改善するスペシャリスト」

臨床経験15年の経験を活かし、年齢によって変化する女性のからだをサポートする。

肩こり腰痛などの慢性症状から自律神経の悩みまで改善する無痛整体を行う治療家。